編集部メンバーが現地生産者から調達してきた、カンボジア産「粒白胡椒」について。
かじると、ビックリするくらいフレッシュな薫りと痛いくらいのカラさ。
食感もソフトで、口の中で粉末になるみたいにほわっと溶ける。
あーいつも使ってる胡椒(テーブルコショウ)は一体なんだっただろう、と。
あまりに美味しいので、いろいろと調べてみると…
カンボジアは古くから胡椒やスパイスの名産地で、1960年代までは
「カンボジア産=世界最高品質」として知られていたそうだ。
しかし、1970年代に始まった内乱により、産業として著しく衰退し、
一時期は「栽培方法まで失われた」、とまで言われていたもの。
1990年代後半になり、カンボジアの産業育成や雇用創出策の一環として
農業強化が打ち出され、ようやく「胡椒」も取り組まれるようになったのだが、
その立役者の一人が、日本人であったことはあまり知られていない。
その日本人こそ、「クラタ・ペッパー」の倉田氏。
クラタ・ペッパー http://kuratapepper.com/index.html
NGO職員だった頃から、カンボジアの産業活性化支援の「タネ」を探し、
行きついたのが、この「胡椒」をはじめとするペッパー類の栽培だったとか。
今では「クラタ・ペッパー」といえば、最高品質のトップ・ブランドとして、
欧州を中心に展開されているそうだ。
現時点では、「クラタ・ペッパー」などブランド化ができている一部を除いて、
大半がタイに輸出され(残念ながら、タイ産として)世界に流通しているのだが、
カンボジア政府もいよいよ、カンボジア産胡椒のブランド化に本格的に取り組むようだ。
こうしてみると、フェアトレードとか途上国支援なんてカッコいいことを言わなくても、
「良いモノ/価値ある産業」は必ず復活する。復活させるために尽力する人が必ず出てくる。
そう信じて、私たちもこうした活動をもっと加速させていきたい、と改めて思えた。
ということで、カンボジア産「最高品質の胡椒」に感謝。
(The Round Table編集部)